つい先日、Scala 3になることが決定した次世代ScalaコンパイラDotty。このDotty、まだときどきコンパイラがクラッシュするなどのバグはありますが、Scala 2.11のライブラリを使うことができるので、Scala 2.11対応のライブラリやプロダクトを試しにビルドし…
connpass.com 今回開催したこのイベントは、私が学習用に作成したプログラミング言語nub github.com の文法や機能拡張を通じて、プログラミング言語処理系の作成の基礎について学ぶというものでした。 自分がこのイベントを開催したねらいは主に二つあって、…
PEGEXを開発し始めたのが確か2010年の春頃でした。元々は、私の専門であるPEGに対してより正規表現ライクな記法をサポートしたものでした。それから6年、現在は既にPEGのセマンティクスはほとんど残っておらず、(おそらく)全ての文脈自由言語を扱えるよう…
この記事は、健康Advent Calendar 2016 12/13の記事です。 皆さん、歯、大丈夫ですか?自分は最近、右上の親知らずが虫歯にかかっていることが判明して抜歯する羽目になりました。ついでに、虫歯の治療も同時にしたせいで、一週間、左側の歯だけで飯を食わな…
Javaには既にJParsecというパーザコンビネータライブラリもあり、あえて新しいものを作る必要はないかもしれません。 ただ、JParsecはイマイチ気に入らなかったので、新しいパーザコンビネータライブラリを作ってみることにしました。とりあえず、基本的なコ…
connpass.com 数ヶ月前からKotlinをちょくちょく触っていて、「もっと深いところを知りたいな」と思ったので開催することにしたのがこの勉強会です。さすがにInternalとついていたせいか、それほど参加者は多くなかったですが、かえって質問しやすい空気にな…
以前、 kmizu.hatenablog.com という記事を書いたことがあったのですが、このときはまだ多相型を実装しておらず、Dynamicという謎の型でごまかしていましたが、その辺の制限をとっぱらいましたという話です。 型推論というと、最近はやりの言語はだいたい型…
Java 8でjava.util.Collectionに追加されたメソッドとして、Streamを返すstream()メソッドがあります。これ、java.util.Collectionに追加されたメソッドなのだから、当然Kotlinでも呼び出せて良いはずですが、実はできません。 >>> val x = listOf(1, 2, 3, …
しばらく触っていなかったのですが、ふと思い立って、データ構造を追加してみました。 具体的には、 TreeMap: 赤黒木ベースのMap TreeSet: 赤黒木ベースのSet の二つを追加しました。実装はほとんど、Scala版のRedBlackTreeのポーティングですが、is乱発しな…
タイトルの通りなんですが、JetBrainsさんが公式で Zero-overhead null-safety とか書いているおかげで信じている人もいるかもしれません。ですが、それは正しくありません。 試しに、次のコードをコンパイルしてみましょう。 fun double(x: Int?): Int = x?…
冷やし中華はじめました、みたいなこと書いてみたかっただけです。はい。 これまでKlassicでは、メインのインタプリタは(あとで静的型をつけることを意識しつつ)動的型言語でしたが、少しずつ静的型を加えていっています。現在のところ、まだ多相型を扱え…
きっかけは、昨夜の思いつきでした。 今日ふと思ったこと: JSONって、そもそもカンマ要らないんじゃね?{ "Foo" : "BAR" "BAR": "Baz" "Hoge" : { "name" : "Hoge" } }特に曖昧性なくパーズできるように思える。配列も同じく。— Kota Mizushima (@kmizu) 20…
最近、Klassicと同時にOnionもちょくちょく更新するようになったので、変更点など書いていこうと思う。 今日は、メソッドや関数定義に、文ではなく式を取れるようにする改良を行った。今どきの言語だと当たり前だが、Onionを最初に開発した2004-2005年の時点…
TwitterでScala関係のつぶやきをみていると、どうも、特に初学者の方に、 varを使ってはいけないので、Scalaは難しい… という意見が散見されるようです。 しかし、Scalaを学び始めのときにいきなりvarを断つ必要はなく安心してvarを使ってもいいと思います …
最近、Elixirがなんとなく盛り上がってきている気がするので、この機会に入門してみることにした。お題は相変わらずparser combinator。解説はめんどうくさいのでコードだけ貼り付けておく。 わかったこと。 Elixirの文法は結構くせがある。文法はRubyに影響…
今日書いた kmizu.hatenablog.com についてですが、原因がわかりました。まずは以下のコードを見てください Welcome to Kotlin version 1.0.0 (JRE 1.8.0_91-b14) Type :help for help, :quit for quit >>> val a: () -> Int = { 2 } >>> val b: () -> Unit …
Kotlinという言語の型システムは凄くおおざっぱに言ってしまうと、Scalaと非常によく似ています。 TopがAny BottomがNothing Byte, Short, Int, Float, ....といった、プリミティブ型相当の型が継承階層に組み込まれていて、型名まで同じ Generics Declarati…
かなり久しぶりのリリースです。主な変更点は、 Conflict between an expression parenthesis syntax and call syntax · Issue #16 · kmizu/macro_peg · GitHub を修正した点でしょうか。これで、 STRING = STRING_MACRO("\"") / STRING_MACRO("'"); STRING_…
追記:Twitterで、「それって、言語マニアにしかできない技のような気が」という指摘を受けました。自分としては一般的に適用可能な話だと思っていますが、あるいは自分の感性が著しくずれているのかもしれません。その辺承知の上でお読みください。 Scalaは…
とても物騒なタイトルがついていますが、別に自殺しかけたとか事件に巻き込まれたという話ではありません。 大学1年生の夏(2002年)の事でした。当時、筑波大学1年生だった自分は、サークル(?)の先輩たちとともに、今ではガルパンの聖地として知られて…
Scalaは最初から関数型プログラミングのスタイルで書くことを意識して設計されたという意味で関数型プログラミング言語と言えますが、一方で、「Better Java」な手続き型スタイルで書くことも基本的には否定されるべきではないと思います。たとえば、ビッグ…
「プログラマのための技術書籍○選」とかよく見るじゃないですか。あれ、自分はどうにも好きになれないというか、後進を自分がたどってきた道に引きずり込みたいだけじゃねーかと思うのが多いです(全部がそうだとは言いません)。なので、今回のエントリでは…
通称コップ本こと、Scalaスケーラブルプログラミングの第3版が今月下旬発売されます。今回のウリはなんといっても、Scala 2.11(2.12のSAM変換も)対応です。また、第3版なので(?)コップの数が3個に増えています。 Scala 2.11対応なので、String Interp…
表題の通りです。とりあえず、Kotlin版とScala版のコード貼ります。 gist.github.com gist.github.com これらのコードでは、両方とも明示的なダウンキャストやその他の抜け穴を使っていないので、実行しても決してClassCastExceptionが起きてはいけないので…
先日、8/8-8/10に、長野県の松本で行われたSWoPP2016 sites.google.com に発表&参加してきました。SWoPP2016は複数の研究会が一同に集まって行われるワークショップですが、自分はその中でもプログラミング研究会(PRO)で発表してきました。その発表スライド…
自分ははっきり言って重度のTwitter依存症であり、何かあるとすぐTwitterを見る癖がついてしまった。まあ、それはいい。ただ、その使い方があまりにも節操がないので、いらんいざこざを招いているなと自覚するようになった。 たとえば、自分は、興味のある分…
kmizu.hatenablog.com を読み返していて、これ、 val add: (Double, Int) => Double = O.add で行けるんだから、そもそも_が要らなくて O.add:((Double, Int) => Int) でいけるのでは?と思って書いてみたら動いたという話です。要はメソッド型の式(O.addは…
Twitterを始めたのが自分のプロフィールみると2007年春ということなので、Twitterを始めてかれこれ9年になります。というわけで(?)、自分の普段のTwitterの使い方をいくつかに分類して振り返ってみようと思います。 ライフログとして これが自分の中では…
eta-expansionとは、メソッドを関数に変換する処理です。 たとえば、 def add(x: Int, y: Int): Int = x + y val addFunc = add _ で、add _によって、eta-expansionが行われ、メソッドaddが関数に変換されます。このeta-expansion、メソッドがオーバーロー…
先日、Kotiln勉強会というものに行って来ました。まあ、自分の発表は拙作kollectionライブラリの発表という割とどうでもいいものでしたが、それはそうとKotlinエバンジェリストたろーさんがClass Delegationという機能について紹介していました。 speakerdec…