kmizuの日記

プログラミングや形式言語に関係のあることを書いたり書かなかったり。

実践Scala入門(共著)が発売されます

https://www.amazon.co.jp/dp/4297101416

企画自体は2015年くらいから始まっていたんですが、紆余曲折あって、約3年経ってしまいました。ともあれ、ようやく出版までこぎつけられてほっと一息です。 実際には多少遅れる可能性がありますが、10月27日から技術評論社さんから発売予定なので、この機会にScalaを勉強してみたい方は、是非予約していただければと思います。 さて、書いてる間の紆余曲折書いても意味がないので、このエントリでは、この書籍のウリを簡単に書きたいと思います。

現状の日本語のScala書籍は、大半が新しいバージョンのScalaに追随できてなくて、新しくScalaに入門する人に勧められるいい書籍が ほとんどないという問題意識がありました。いわゆるコップ本はScala書籍の中でもかなり売れていることもあってか、2.12対応の第三版まで出版されているものの、 重厚長大であるために敬遠する人が多いという課題があります。というわけで、もうちょっと「コンパクトなコップ本」があるといいなということで、それが今回の 実践Scala入門のコンセプトになっています。

「コンパクトなコップ本」というのが何を指しているのかですが、コップ本の中で特に重要だと私たち(共著者)が考えたものをピックアップして、もうちょっと 手軽に読めるものを作ろうといったところです。ページ数もコップ本に比べてだいぶ少なめなので、コップ本に挫折した人にも比較的気軽に手に取ってもらえる とうれしいと思っています。ちなみに、Scalaのバージョンは2.12.7対応です。

もう一つのウリは、入門本でありながら、単に言語の解説に終始するのではなく、sbtの使い方やテストの書き方、コレクションライブラリの使い方など、ある程度 実践寄りの内容も盛り込んだところです。この書籍だけで実践のための知識が十分に身につくとは、もちろんいいがたいですが、「おわりに」で今後のための参考文献 も示してあるので、リストアップした参考文献を元によりステップアップしていってもらえればと思います。

ただ、実践寄りの内容「も」あるとはいえ、あくまで入門書であるので、Scalaでプロダクションコードを書くためのノウハウががっつり詰まった本を期待されると ミスマッチが発生するかもしれません。

ちなみに、目次はこんな感じです。

  • はじめに
  • 第1章「Scalaひとめぐり」
  • 第2章「Scalaの基礎」
  • 第3章「Option/Either/Tryによるエラー処理」
  • 第4章「コレクション」
  • 第5章「並行プログラミング」
  • 第6章「Scalaプロジェクトのビルド」
  • 第7章「ユニットテスト
  • 第8章「知っておきたい応用的な構文」
  • 第9章「よりよいコーディングを目指して」
  • おわりに

なお、実践Scala入門はScala入門書ではあっても、プログラミング入門書ではない(最低1つのプログラミング言語を習得していることを前提とする)のでその点は注意していただければと思います。

そのあたりを踏まえた上で、購入を検討していただければ幸いです。