kmizuの日記

プログラミングや形式言語に関係のあることを書いたり書かなかったり。

『オープンソース徹底活用 Scala実践プログラミング』についてあれこれ


既に発売されてから1週間以上経過し、色々感想をいただいています。今回の記事では、各種感想に対してコメントをしようと思います。


まず、少なからずあった感想が、「実践編」を期待していたが期待はずれだった、というものです。これについては、がっかりされた方には申し訳ありません、としかいいようがありません。おそらく、期待はずれだと感じられた方は、開発環境やテストツールを使って実際にScalaアプリケーションを作っていく上での詳細なノウハウを期待されていたのかだろうと推測します。これについては、今後執筆の機会があったとき、参考にさせていただきます。


その一方で、「概要編」が読みやすくて、Scala入門者や、Scalaについての知識を整理したい人に向いている、という書評もいくつかいただいています。「概要編」についても、(私だけではありませんが)結構力を入れて書いたので、そういう感想をいただけるのは嬉しいです。


また、「実践編」について、デザインパターンの章が面白かったという感想をいくつも頂いています。おそらく、この章を面白がっていただけたのは、静的型付け関数型プログラミング言語のバックグラウンドがある方や、型システムとかの知識がある人たち、Scalaをある程度使い慣れている方たちなのではないかと推測します。


Javaとの連携では、Java > Scalaなど、普段あまりやらないだろうけど、いざやろうとするとハマりそうな事について詳しく書いたのですが、それについても好意的な感想が若干ながらもあり、嬉しく思います。


「概要編」は(わかりきったことであるため?)不要である、といった感想がしばしば見られるのですが、「概要編」では、実際にScalaを使う前段階で必要不可欠な知識を可能な限り入れるようにしました。


たとえば、「概要編」第3章では、メソッドと関数オブジェクトの違いについて触れています。これは、実際のScalaプログラミングにおけるハマりポイントの一つなのですが、ほとんどのScala書籍(コップ本含む)はこれをスルーしています。


「概要編」が不要と感じられた事自体は間違い無いでしょうし、特に言い訳するわけではないのですが、あるいは得るものがあるかもしれないので、暇があれば、再読していただければ幸いです。


なお、typoが多いのは、はっきり言って申し訳ありません、としか言い様がありません。これは、正誤表に後日反映いたします。


以上、とりとめも無くなりましたが、よろしくお願いいたします。